グローバル教育授業例
学習テーマ
日本の食糧自給率
ねらい
- ・日本の食糧自給率に関わる課題を追求し、自給率を高めるための手立てを提言する。
- ・仲間との協同の学びに参加し、新たな知的世界を拓いていく喜びを感得する。
- ・異見や批判、対立を活用し新たな知や解決策を共創するグローバル時代の対話力を高める。
事前学習
- ①「食糧自給率」とは何か。まず言葉の意味について調べて理解しておく。
- ②食糧自給率について発表されている論文、調査結果等について、インターネットや過去の 新聞記事、書籍 を通じて最低1件を読み込んでおく。プリントアウトできるものや本は、授業当日持参する。
- ③食糧自給率を高めていくためにはどうしたらよいか、考えておく。重要
- ④祖父母、両親、親戚の人、身近に話を聞ける年上の知人等少なくとも1名に、食生活に関して彼らの子ども 時代と 現代とでは何が一番違うと思うか、インタビューしておく。
- ⑤ある日の自分の食事を食材の生産国や入手経路について考えながらいただく。そして考えたことを友人と 話しておく
学習プロセス
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①アイスブレーク 〜 学びの雰囲気づくり
クラスの仲間と、 握手をして挨拶を交わしました。 「できるだけ多くの人と!」という先生の呼びかけに応えるように、みんな照れながらも握手をしていました。一気にクラスの雰囲気が和みました。
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②グループに分かれる 〜 仲間意識を感じて、対話スキルを体験
マウンテンゴリラの乱獲の原因を推測して、 意見を出し合いました。「今日のテーマとは関係あるの?」と思いながらも、 まずは仲間との共同作業を体験しました。 やってみて納得。少人数なので、 自分の意見も言いやすく、さらに他の人の考えを聞くことの面白さに気づきました。
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③問題提起 〜 日本の食糧自給に関わる問題を知る
各グループに、模造紙と付箋が配られました。まずは、個人で食糧問題 の解決方法を考えて付箋に書き出し、 模造紙に貼っていきます。事前学習の成果もあり、予想以上に多くのアイディアが出揃いました。発言しなくてもアイディアの共有ができたことに少し感激。
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④グループ内でのアイディア共有
各グループに、模造紙と付箋が配られました。まずは、個人で食糧問題 の解決方法を考えて付箋に書き出し、 模造紙に貼っていきます。事前学習の成果もあり、予想以上に多くのアイディアが出揃いました。発言しなくてもアイディアの共有ができたことに少し感激。
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⑤他グループとのアイディア共有 〜 さらに多くのアイディアと出会う
各グループの模造紙を順番に回していきます。全グループの用紙を見 終わる頃には、 本当に様々な意見に出会ったことになりました。自分の考えに似ている意見もありましたが、 自分が思いつかないような考えに接したことは大きな収穫です。
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⑥アイディアの分類 ・ 整理 〜 アイディアを広げながらまとめる
多くのアイディアを見た後に、 もう一度自分達のグループのアイディアを見返してみました。その中から、似たようなものをまとめたり、そこから新しい案を創出したりします。異なる意見に出会ったことで、自分達のアイディアもさらに膨らみました。もうこの頃にはすっかり自分の意見を言うことに慣れているので、作業が盛り上がります。
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⑦提言 〜 3箇条の提言発表
各グループで話し合い、 食糧自給率の問題を解決するためのアイディアを、「3箇条の提案」という形で発表します。誰か一人のアイディではなく、グループ全員の、そして他グループのアイディアを融合しながら、自然と独自の提言にまとまったことは不思議でした。
生徒の声
- ・暗記する授業と違って、自分達で考えてやる授業なので、すごく頭に残りました。すごく面白かったです。
- ・グループ学習なので、普段あまり話さない友達と話せたし、何よりも「皆で考える」というのが良かった。たくさんの意見が出てきて、「あぁ、そういうのもあるのか!」という発見がたくさんあった。
- ・普段の授業では、基本的に正解 ・ 不正解があるけど、この授業ではそんなものはなかったので、恥ずかしがらずに自分の思っていることをバンバン言えてよかった。
- ・通常の授業とは違う頭の回転をしました。
- ・付箋をぺたぺたと、真っ白な模造紙に自分の考えを貼っていく。自分の考えって、普段の授業じゃなかなか発表しない。しようと思う暇もなく、先生は黒板に文字を、私たちは言葉を脳に刻み込む。そのうちにアイディアは消えて行く。けれど、このぺたぺたは、アイディアが乾かないうちに貼られて生き続ける!主張される!表現することの楽しさが知れた。
- ・いつもは1人で考えて答えを出すけど、みんなと一緒に考えた方がたくさんの答えが出てくるのだなと思いました。
- ・今まであまり世界のことを意識したことがなかったので、新しい発見や考えていて楽しいことがあると分かりました。今の日本に不安や不満がないとは言い切れなくて、それをどうしていくかというグループでの発想などは特に楽しかった。
- ・ずーっと静かに座って人の話を聞くことが苦手な私にとって、私のためにできた授業形式かなと思いましたぁ。
- ・意見を言うことが不安で嫌だったけど、グループになることによって自分の意見を不安なく言えるようになった。今後、発表することがあっても、自信をもって言えるようになると思う。
- ・クラスのみんなそれぞれの考えがあって、国もこうやってやれば問題を解決できるんじゃないかと感じました。