2025年度高3 SECターム留学 帰国後レポート ~第2回 高校3年9組 H. S.~
多様性の国で見つけたもの
1. 私が感じた国の違い--病院事情
私はNZ留学中、2週目辺りで39度近い高熱を出しました。アドバイザーの方に連絡をし、病院に行きたいと申し出をしたところ、あまりお勧めしないと言われ、なぜかと感じながら数日過ごしました。発症から3日経ったころ、病院に行くことになりました。ウイルス検査はされない可能性があると聞いていたのですが、私の場合、幸運にもさせてもらうことができました。診察が終わり、抗生物質は処方されず、解熱剤とのど飴だけが処方されました。後から聞いた話で、抗生物質の処方は高額とのこと。今回の診察代と処方箋だけでも高い費用がかかりました。アドバイザーが言っていたことは、このことなのかと後からわかりました。
この経験から、日本の医療保険制度がどれだけ優れているかが分かりました。これから留学に行く皆さんの参考にしていただけたら嬉しいです。
2. 困ったこと--多様な英語
多様な国籍故に英語の発音に人それぞれ大きな違いがあります。ニュージーランドには近隣国であるフィジー、サモアなどからの人々、他にはインドからの人々がいて、またNZは英国連邦の加盟国であるため、イギリス英語の影響もあります。私の英語能力は完璧ではないため、マオリ族の方が話す英語はかなり聞き取るのに苦労しました。語尾が少し弾む感じで陽気に聞こえるのですが、聞き取る方は大変でした。他にも独自の単語の解釈があるようで、私が学んだ通りではない意味で単語を使っている場面がありました。その場合、再度聞き直すか、アプリなどで、できる限り早めに理解したほうが良いと思いました。マオリ族の人口は少ないため、Google検索しても出てこない場合があります。調べるときは少し工夫が必要でした。
フィジーの国旗 サモアの国旗
3. MY ACHIEVEMENT--マオリ族の伝統文化 "ハカ"に挑戦
私はこのターム留学でマオリ族の伝統文化である"ハカ"を習いました。ハカは戦いの前や冠婚葬祭で行われ、最近ではNZ議会でマオリ族の権利の解釈改定への抗議として披露されたことが日本でも一時期ニュースで取り上げられました。このようにNZではさまざまな場面で披露されています。自分が体験したのは"カパ・ハカ"という、マオリ語の歌と踊りをグループで披露する形式のハカです。私が、ハカに挑戦しようと思ったきっかけはホームステイ先の家族からカパ・ハカについて説明を受け、「興味があったらやってみて」と言われたことです。自分の中でもターム留学で何かニュージーランドでしかできないことに挑戦してみたいという気持ちがあり、留学先の高校で約2ヶ月練習を行いました。
最終的にニュージーランドの主要銀行ASB(Auckland Savings Bank)が主催するPolyfest*2025に出場しました。私が通うBirkenhead collegeと近隣のNorthcote collegeで共同チームを結成し、ステージで披露することができました。マオリの仲間と共にハカを練習し披露したことで、先住民族の文化を内側から理解することの大切さを学び、SDGsゴール10「人や国の不平等をなくそう」の実現には、多様な文化を理解し共生していくことが重要だと実感しました。
Polyfest*:ニュージーランド全国にある各学校の高校生が5日間ほどかけ自校のカパ・ハカを披露する場です。他に太平洋の島々である、サモアやトンガ、ニウエなどからも各部門で参加します。Diversity stageでは日本や韓国、アフリカなど他の国々の文化を披露する場でもあります。

トンガの国旗 ニウエの国旗